2024.06.25
自動ターンダウン化による吸熱型炉気発生装置のCO₂削減
【吸熱型炉気について】
鋼材の表面硬さを高めるためには、ガス浸炭炉等を使って熱処理を行いますが、その炉内雰囲気には
吸熱型炉気(以下、「変成ガス」)が使用されます。変成ガスは、LPGや都市ガスなどを原料に、1050℃
に加熱したニッケル触媒を通過させて生成されます。今回、我々はこの吸熱型炉気発生装置を対象にCO₂
の排出量削減に取り組みました。
【方策の立案】
現状、変成ガスの需要量が変動した場合でも、変成ガスの供給不足が生じないように、需要量に変動量を
見越した余剰なガス変成が必要でした。(生成量=需要量+余剰分)
この余剰分を無くすことでCO₂の排出量削減を実現させることにしました。
【対策】
変成ガスの需給バランスを自動調整するための自動ターンダウンシステムを開発し、余剰分の変成ガス
を無くすことでCO₂削減が実現できました。
【システムの概要】
ターンダウンとは、変成ガス量を必要に応じて増減させることで、この操作を自動化した装置を
自動ターンダウンシステム(特許取得済)と名付けました。
【効果】
① 年間3.14tonのCO₂削減(※1)
(条件)
対象装置 : EN-2000MT-ATDS
原料ガス : ブタンガス
稼働条件 : 1日24時間、年間300日稼働
電力CO₂排出係数 : 0.000470(t-CO₂/kWh)(※2)
ブタンガスCO₂排出係数 : 液化石油ガス(LPG) 3.00t-CO₂/t(※3)
※1 CO₂削減量は装置仕様や稼働条件等により変動します。
※2 環境省 2020年度の温室ガス排出量算定代替値に基づく。
※3 環境省 燃料の使用に関する排出係数別表1,2 に基づく。
② 余剰分の変成ガスを排気ブリーザ部で燃焼させる必要がなくなります。
【対象製品】
吸熱型炉気発生装置
(EN-2000MT-ATDS)
・既存の吸熱型炉気発生装置の自動ターンダウン化の改造も可能です。
赤外線CO₂分析計一体型とし、
設置面積を約8.6%以上小さくし、
デザインも一新しました。
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