金属・工業加熱装置

2025.08.25

QEC(Quenching oil temp. Eco Control)による焼入油槽の省エネ化

【概要】
  浸炭焼入炉の油槽における焼入油の温度制御を見直すことで、消費電力の削減を実現しました。
  この新しい制御方式は、現在ご使用中の当社製設備にも、改造工事により導入が可能です。

【課題】
  従来の焼入油の温度制御は次の2点の理由から多くの電力が必要でした。
    ①焼入により上昇した油温を設定温度近くまで強制冷却
    ②油温を設定温度に保持するため、冷えすぎるとヒータで加熱

【対策】
  消費電力を削減するために、油槽の省エネ制御システム "QEC(Quenching oil temp. Eco Control)"
  を開発しました。QECは、焼入油の温度が徐々に下がるスロープ降温制御を採用しており、油温は、
  焼入の30分前から開始直前に設定温度に到達します。この制御方式により、ヒータの稼働時間が
  大幅に短縮されました。

【油温制御の比較】
  装置事例 : バッチ型 浸炭焼入炉 ERT-244824-AF

技術情報_QEC_rev3.5.PNG

【効果】
  従来の制御方式と比較して、油温保持のための消費電力を大幅削減(当社従来比52%削減※)。
  これにより、お客様のカーボンニュートラルの取り組みに貢献いたします。

   ※電力削減効果は、各種条件によって異なります。お客様の設備の状況に応じた効果の試算
    を承りますので、こちらからお気軽にお問合せ下さい。

【対象装置】
  ・ノンフレームバッチ型 浸炭焼入炉バッチ型 浸炭焼入炉

【既存設備への適用】
  お客様がご使用の当社製設備の油温制御を、従来のものからQECに更新することも可能です。
  お見積りのご依頼、本技術へのご質問等がございましたらこちらからお問合せ下さい。

 また、QECを含む、浸炭焼入炉の消費電力削減のための施策を紹介した特集ページもございますので
 あわせてご覧ください。