2020.07.17

処理品質の向上が図れる機能最適化型の大口径縦型炉

【ジェイテクトサーモシステムの大口径縦型炉】
1986年、当社は半導体レベルの精密な熱処理がFPD用途で使用可能な大口径縦型炉
VFS-4000シリーズ をリリースし、30年以上の長きに渡り、市場提供して参りました。
この装置は、高品質な製品を作り出す源となり、お客様に大変ご好評を頂いておりますが、
この度、フレキシブルディスプレイ基板の処理に最適化した大口径縦型炉を開発しましたので、
ご紹介します。

【フレキシブルディスプレイ基板の熱処理に関わる課題】
フレキシブルディスプレイ基板は、透明のポリイミド樹脂を台板となるガラス基盤上に成膜し、
その後、熱処理装置で焼成することにより、ポリイミド基板として形成されます。
ポリイミド処理膜の膜特性を向上させるには、熱処理の均一性が重要であり、また、副生成物として
発生する昇華物起因のコンタミ対策や、装置コストの低減が課題となっています。
熱処理装置の加熱方式は、石英の炉芯管を使用した外熱式の縦型炉や金属チャンバーを使用した
対流加熱のオーブン方式を使用することが一般的ですが、それぞれ一長一短があるため、
課題全てを解決できる、フレキシブルディスプレイ基板焼成用に最適な熱処理装置が望まれています。

【機能最適型縦型炉の課題解決手段と得られる効果】
[処理品質を向上]
対流加熱で処理した時に比べ、ポリイミド膜全体を均一に加熱することが可能となり、
膜内に残存する揮発成分のバラツキや、熱応力が減少し、膜特性が格段に向上。
[万全な昇華物対策]
バーンアウトシステム(Max.580℃)、炉口ガスパージ、排気配管加熱システム等を装備。
ポリイミド膜焼成時に発生する昇華物の堆積による処理品質低下や装置トラブルを低減します。
[費用対効果の優れた熱処理を実現]
機能の本質を徹底的に追求。処理目的に装置機能を最適化させた大口径縦型炉を開発しました。
⇒耐熱ガラスを使用した組み立て式のチャンバ構造を採用。
⇒ガラス基盤収納ラック、昇降機構、ガス配管他、装置全体の徹底的な価値分析と構造変更を実施。

【様々なプロセスにも応用可能】
標準プラットフォームはそのままに、必要機能をプロセス毎に再設定することで、
フレキシブルディスプレイ基板焼成以外のプロセスも対応可能です。
=プロセス例=
・フリットシールベーク
・ポリイミドキュア
・脱水素アニール
・コンタクトアニール
・メタルアニール
・2.xD/3D 先端半導体パッケージ(RDL(再配線層)やガラスインターポーザなど)の各種熱処理


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